引退競走馬の再調教

引退競走馬の再調教

 

ウィッシュでは引退競走馬の再調教においても一貫した愛情と高いレベルの目標によって人馬の幸せを追求しています。

ここではウィッシュで行っている特別な引退競走馬の再調教方法とそのプロセスをご紹介します。

(引退競走馬の再調教には様々な考え方があり、どこでもこのようにしているわけではありません。あくまで一個人として豊富な引退競走馬の再調教の中で経験してきたプロセスとパターンであり、私自身の信念に基づいて行っている特別な再調教方法です)

 

今まで再調教した引退競走馬は百数十頭以上、豊富な経験と全日本出場の実績で引退競走馬を乗用馬へと再調教しています。

ウィッシュでは新規に入厩してきた乗用馬や元練習馬や転厩自馬もほとんど同じプロセスをたどります。

こうして今までとは生まれ変わったような愛情深いパートナーホースが誕生します。

 

ウィッシュの引退競走馬の再調教方法とそのプロセス

・健康診断と回復期

 身体の傷や損傷、鞍傷、拍車傷、腱や関節の異常、筋肉痛、ボディーコンディションスコア、蹄の異常などをチェックして、治療とケアを開始します。ほとんどの場合周囲の人間が気がついていない損傷を受けており、短期で治るものもあれば回復に長期間かかるものもあります。

 適切な飼料を選択のうえ給与し、馬の様子を見ながらこまめに変更を加えます。

 合わせてメンタルの観察を行い、精神状態や心神喪失の程度を測ります。

 

・自分取り戻し期

 健康が回復してくるにしたがって精神的にも外部に反応し興味を示すようになります。獣から本来の自然な馬に戻っていきます。

 

・人間認識期

 たいていの場合馬は馬にしか意識がいっていないので人間を群れの仲間と思ってもらうように愛情をもって取り扱います。馬の人間に対する意識を使役者からパートナーに変えていきます。馬の人格や人間性を認めることで、人間もエサやり機や世話焼き機から脱却し並列の仲間として気がついてもらいます。

 

・コミュニケーション開通期

 自分の馬語が人間に通じることに「?!」となって気がつきます。

 また人間が馬語を話すことにギョッとしたように驚き、少し混乱状態になります。

 最も高いスキルが要求される時期です。

 

・暴発抵抗期

 自分の気持ちを表現していいという新たな環境に、今までの不平不満が爆発します。「今までなんで自分があんな目にあわなければいけなかったんだ」「つらかったんだ」

 心の中に秘めていた自分の気持ちを聞いてもらったり意見を言うことで、過去のトラウマが次第に解消されていきます。人間に気持ちを受け止めてもらい心が落ち着くまでしばらくかかります。

 

・迷いと甘え期

 「本当に信じていいの?」再び嫌な目にあったり裏切られたりするのではないかと、信じたり怖がったり迷う時期が訪れます。また人間に甘えるようにいつまでも目で追ったり、馬から離れると不安そうに鳴いたり呼び寄せるように前掻きをします。落ち着かせるようにしっかり受け止めます。また馬を不安な状態に置かないように努めます。信頼を構築するための最も大切な時期です。

 

・愛撫教え期

 丁寧な愛撫によって好ましい行動を肯定していきます。ほとんどの馬は愛撫されることに不感症になっています。愛撫されることをなんとも思っていません。そこで一貫性のある愛撫と馬のこころに届くような丁寧な愛撫によって、馬がしだいに「嬉しい…」と思うように教えていきます。愛撫によって嬉しいと思い、行動を肯定された馬は、肩の力を抜いてリラックスするようになり、会話の開通がより深まります。また愛撫の意味を理解したことによって、愛撫された瞬間「嬉しいな」と思うことで運動に前向きになり、扶助に積極的に参加するようになります。

 

・信頼構築期

 少しずつ穏やかになり考えてから行動するような変化が見られるようになります。後ろを歩いてついてくるようになったり、わずかなタッチで動いたり頭を下げたりできるようになります。しかしある特定の動作(駈歩発進など)や環境の変化(天候や何かの出現など)によりトラウマがフラッシュバックして狂奔するときがあります。いついかなる時も今まで通りの愛情をかけ、信頼するに値することを示します。

 

・信頼確立期

 ここの人間は信頼できるパートナーであり、守ってくれるリーダーであると馬に認められます。ほとんどのことに動じなくなり何かあると頼ってきます。精神的に安定しているリーダーを見習い、馬も精神的にも安定してきます。わずかな脚や指に反応し、リラックスして人間を受け入れ、ゆったりとしたハーモニーのある騎乗が可能になります。

 また馬房や放牧では馬の方から近づいてきて、一緒に行動しようとします。

 馬装では落ち着いて静かに立ち、頭絡をつけるときは自分から口を開いてハミを受け入れます。

 手入れでは身体のどこを触っても満足そうにして、気持ちいいところがあれば押し付けて「もっとして」と催促してきます。モグペロを頻繁に見られるようになります。

 人間との信頼関係が確立します。

 そしてその信頼関係の構築と確認の作業はこれからも永遠に続きます。

 人間はこれからも馬を守る誓いを果たし続け、馬は心を開いて人間を受け入れ、こうして調和のある乗用馬が一頭この世界に誕生します。

 

引退競走馬の再調教
(ウィッシュホースコミュニケーションズでは現在引退競走馬の預託を受け入れております。引退した競走馬が乗用馬としてリトレーニングされてゆく過程を実際に見て見ませんか?乗馬の調教ページと同じようにそのプロセスと馬の変化をリアルにご紹介します。まずはビジターへどうぞ)

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