引き馬のときの人と馬の位置はこうです。
人と馬の顔が並んで歩きます。人の方がリーダーとしてやや前です。
馬は人の横をついて歩き、人が歩けば歩き、人が止まれば止まります。
人は視界の中に馬を入れておき、馬が視界から消えるような後ろや背後には位置どらせないようにします。
右回転のときは、馬が教育されている場合は馬が少しスピードを緩めてくれます。
馬が教育してもらえていない場合は、人が少し歩みを速めて馬が前に出る経験をしないように気をつけます。
引き馬のしかた
人と馬が一緒に歩くとき、馬はおとなしく自主的に人についてきます。もちろん引き手は弛んだままで、右にも左にも曲がれます。人が止まれば馬も止まります。
もし馬がこのようなことを知らない場合、以下のような方法で教えてあげましょう。
引き馬は馬が人の隣(右側)について歩くのが基本です。
まず止まったまま並んでみましょう。
人の右肩の横に、馬の頭があるようにします。
右手で引き手の無口から30㎝程度の所をしっかり握って持ちます。
左手は引き手のあまりを、一つか二つの輪にして持ちます。このとき端の方から重ねていくように手の中に入れていきます。このようにしておけば馬が暴れて引き手をのばすときに、端っこは最後に残り、放さないですみます。
引き馬調教ができていない馬、パートナーシップを理解していない馬の場合は、左手に引き手と一緒に長鞭を後ろ向きに持っておきます。
無口から右手までの引き手は弛んだ状態にしておき、腕の重みをかけないようにします。馬の動きをすぐに制限できるようにしておきますが、その必要がないときは自由にしておくためです。馬の自主性を引き出すためのポイントです。
では歩き出してみましょう。
人が歩き出します。右脇を締めて、人の胴体と一緒に右手も前へ進んでいきます。
引き手がピンと張りました。グッと前へ押し出すような感じでほんの少し(約5秒くらい)待ちます。馬がこの引っ張られた状態を解消しようとするためにはどうしたらいいか、考える時間を与えるのです。
この前へ引っ張った状態で馬が解決策を見つけられないようなら、左手の長鞭の先を動かして、先端で馬体のおしりかもものあたりを触りましょう。
馬が前へ動き出したときに、手の位置はその空間から動かさずに、引き手が弛むようにします。
馬は前に進むと引っ張られた状態から解放されることに気がつきます。
そのまま歩いていきましょう。
もし馬の歩くスピードが遅く感じられるようでしたら、馬にあわせずにそのまま自分のスピードで歩きましょう。人が速く歩き、馬が遅くてついてこない場合、再び引き手がピンと張り引っ張る状態になるはずです。
ここでまた歩き出したときと同じようにします。腕と脇を固め、馬を前へ押し出すようにして引っ張ります。
馬が自分で引き手をゆるめようとして前へ速く歩き出そうとすればOKです。引き手をゆるめようと加速しない場合は、もう一度長鞭の先で馬の後躯をさわります。(必要なら軽打します)
このことを繰り返すことによって、馬は人が歩き出したら自らの意志でついて行くことを学習します。最終的には人がどんなスピードで歩いても、自分の頭を人の肩のとなりにあわせておくことを学習させます。
今度は止まってみましょう。
「ほー」と声をかけながら、無口の鼻のところに圧力をかけるようにして止まります。このとき脇を締め、腕や手を体の横に固定したままにしながら、徐々に自分のスピードを遅くしてゆきます。人より前へ出ないで止まったら、引き手をゆるめてやり、じっくり愛撫します。
鼻の圧力は徐々に高まるように操作します。やりにくい方はしっかり脇を締めて、腕をよく曲げて体にぴったりつけたままにしながら、「自分が重しになったつもりで」徐々に歩くスピードを遅くします。
あまりにも馬が止まりにくい場合は引き手のチェーンを鼻の前にまわす付け方でもう一度試してみましょう。または頭絡で行うのも一つの方法です。
もし人より前に出てしまったら、引き手を強く引き続けて、頭が右肩の隣に来るまで下がらせます。
繰り返し教えてゆきますが、あまりにも何度も人の前に出て止まってしまう場合は、止まろうとして馬が人の前に通りすぎて出てしまった時に、引き手を「ガン!」と強く引いて懲戒します。馬が止まったら引き手をゆるめて穏やかに愛撫します。
ゆっくりで止まれるようになってきたら、声をかけないで止まってみたり、急に止まってみたりを試してみます。
次は曲がってみましょう。
最初は右曲がりから始めます。常歩で歩いている途中に、自分の右腕を伸ばすようにしながら引き手、無口、肩で馬を右へ押してゆきます。何度か繰り返して人が自分に近づいてきたら右に曲がるんだということを馬に理解させます。
次に左回りを教えます。常歩で歩いている途中に人間は向きを変え、左の方へ歩いてゆきます。馬が反応しない場合、引き手がピンと張って左に進むことを指示します。何回か繰り返すうちに人が離れてゆくとその方へ近づかなければならないことを馬が理解してきますが、わからないようであればやや急に曲がるようにして、引き手で進む方に引っ張ることでショックを与えます。馬が人間不信になっておらずあなたのことが好きならばすぐについてきます。
以下にたびたび見かける良くないやり方をあげてみます。
・ 馬がついてこなくても無頓着で、腕を後ろに伸ばし引きずるように馬を引いている。(馬はよけい嫌々歩くようになることもあります)
・ 止まってしまったときに人間も止まってしまう。(馬は自分が止まりたいときに勝手に止まってもいいんだということを覚えてしまいます)
・ 人が後ろを向いて馬と向き合った体勢で引っ張る。(ボディランゲージで馬にこちらに来るなと言ってしまっています。顔は後ろを振り向いても、自分の体は正面を向いているべきです)
・ 馬が先に歩いていってしまい、引きずられるように後からついてゆく。(馬に自分がボスだと思わせてしまいます)
引き馬のときの馬の頭の位置!
引き馬はある意味騎乗よりも、とても基本的で大切なことです。
引き馬中は、馬の頭が常に人間の右肩の横にくるようにします。
(こうすると人間の視界の中に少し入っているようになります。
ちなみに競走馬は人間の右肩の横に馬の肩が来るように引き馬します)
ありがちなよくない例です。
馬の頭の位置が後ろすぎます。
馬を置いて行っちゃだめ。一緒に歩きましょう!
良い例です。
馬の頭が人間の右肩の横に来ています。
馬が遅れたら少し押し出すようにするといいですよ^^
人が歩き出したら馬が自主的についてくる、止まったら止まる、そんなふうになったらいいと思いませんか?
この引き馬のルール(しつけ)をきちんとするとちゃんとそうなります^^
馬を引くときはこうしてね♪
馬を引くとき、ついこんな風になっていませんか?
「どうすればいいのかなぁ??」
自分の体の正面を馬に向けると、ボディランゲージが「こっちへ来るな」という意味になってしまいます。
つまりこの状態で引くことは「あっちへいけ」「こっちへ来い」という矛盾したことを馬に伝えていることになります
体を向けなくても、顔を向けただけでプレッシャーを感じて同じように「来るな」と捉える馬もいるんですよ。
「よっしゃ、いくか~」
こういう風に引いてみましょう
・馬と同じほうを向く。(体も顔も)
・馬の頭は肩の横に。
・右手は手綱を短くもって、押し出すような感じで引く。
・精一杯やっても動かないようであれば、横に動いてみて馬に1歩目を踏み出させる。
こうしたことをきちんとやっているのに歩き出さなかったり、馬場に行きたがらなかったりしたら、馬の心にすこ~し問題が発生しています。
そうならないように気をつけてあげたいですね♪
引き馬時の左手のロープの持ち方
安全で機能的な持ち方
引き馬(リーディング)は乗馬すべての基本で、とても重要です。
グランドワークだと思って、きちんとリーディングしましょう。
今までの経験とナチュラルホースマンシップの観点から、安全で機能的なロープの持ち方をご紹介します。
右手は、無口から30㎝くらいのところを持ちましょう。
右ひじは90度に曲げ、脇を軽く締め、右手から無口までのロープ(またはチェーン)は通常はたるませておきます。
左手には輪をひとつ作って持ちます。
左手の中は、あまりを先に持ち、その上にロープの真ん中あたりを重ねて輪にします。
逆にすると、引っ張られたときに手を縛るような状態になってしまい危険です。
左手のロープの余りは、輪よりも大きめにします。
歩いているあいだにロープの余りが輪の中にはいってしまわないように気をつけましょう。
余りが輪の中に入った状態で引っ張られると、手の周囲をロープで縛りあげられた状態になってしまい危険です。
左手の指は、ロープの余り側はすべての指で持ち、その上に重ねたロープは小指以外の指で持ちます。
こうしておけば、もし馬に強烈に引っ張られたり立ち上がられたりした時、輪はじょじょに小さくされても、ロープの端だけは離さず掴んでおくことができます。
これなら放馬するのを防ぎつつ、ロープを伸ばした状態で馬をコントロールすることができますよね。
(離さないようにできるだけ粘りますが、それでも危ないと思った時にはすべて離してしまいましょう)
左手を輪にしないで、ロープの中頃を持つ方法もあります。
ロープの端は自分の左後方へ少し引きずった状態になります。
この持ち方は、ロープの余りを使って馬を前へプッシュしたり、馬に前後左右へ譲りを求めたりするときにとても効果的です。
ナチュラルホースマンシップをする時や、グランドワークをする時、子馬や新馬にリーディングを教える時などにこの持ち方をすることがあります。
この持ち方のとき、右手の持つ位置は同じですが、左手の持つ位置はよく調節する必要があります。
右手と左手のあいだが短すぎると左手が動かしにくくなります。
右手と左手のあいだが長すぎると自分が足で踏みそうになってしまいます。
繰り返し練習して、程よい長さの持ち方を練習しましょう。
うまく騎乗するためには、まず引き馬を上手に出来るようになりましょう!
地上で出来ないことは、馬に乗っても出来ませんよね。
まずは引き馬やグランドワークで、しっかり馬をコントロール出来るようになりましょう。
そのためにはこのような、何かあった時でも安全で、機能的なロープの持ち方が大切なのです(^^)
馬が自主的についてくるので、いつもチェーンが緩んでいます。 「おいで!」
調馬索もコミュニケーションの良い練習です
調馬索は調教や運動のためにするものですが、ホースコミュニケーションの良い練習になります。
先日やってみたいというメンバーさんに少しだけお教えしました^^
乗っているときにはちょっと分かりにくい馬の表情や、体のボディランゲージがとってもよく見えます。
そして乗っているときよりも馬との距離がありますので、より的確に指示を出して馬にコントロールを求めるようにしなければいけません。
大切なのは観察力(人間の感受性)と、どうしたら望みどうりの行動をするよう“教えられる”かよく考えることです。
基本は調馬索が手綱、音声扶助と鞭が脚の役割になります。
そしてこちらもボディランゲージを使います!
私がよく使うのは、視線や雰囲気、立ち位置、腕や鞭の動きなどです。
動きがほんのちょっと違うだけでも受け取られ方はだいぶ違うので、馬って本当に観察力があって、小さいことに敏感で、賢いんだなぁって思います