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自馬の買い方選び方

 自分の馬が欲しい、自分だけの馬を買いたい。乗馬をしているなら一度は夢見ることですよね。ここでは馬の買い方や選び方についてのポイントをご紹介します。

 馬を買うとき、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。どこを見て、どんなところをチェックしたらいいのでしょうか。

 馬を買うということは命を預かる重大なことです。そしてこの世には同じ馬はおらず、どの馬もオンリーワンです。また馬の育て方も千差万別で実際には驚くような違いがあります。まぁいいかなと選んで、後々こんなはずじゃなかった…とならないように、どうぞあらかじめ知識を深めておいてください。それが馬も人も長く幸せに付き合っていける方法だと思います。

 それでは今まで多くの馬を購入して調教してきた経験から、こういうところが大切ですよというチェックポイントをご紹介いたします。

 

馬の買い方選び方 三大心構え

 まず馬を買うために3つの重要な心構えを知っておきましょう。

 

①現在の状態だけを見ること。過去の栄光、将来これは治る、たまたま今は…という過ぎ去った過去や不確定な未来はあてにしない方が賢明です。何とかなるだろうで何とかならなかった人はたくさんいます。癖馬だった場合矯正することは非常に困難ですし、素直な若馬以外、基本的に今以上に良くなるだろうという希望的観測は持たないようにしましょう。まずは現在の状態をよく観察して最大限しっかり把握することを大切にしましょう。

 

②自分の目で判断すること。馬はしゃべらないので人間の情報だけでは本当のことはわかりません。基本的に表に出てくるのは良いことだけで、良くないことは表に出てこないものと心得ましょう。大切にしてますという言葉通り本当に大切にされているかどうかは、馬の表情が良いか毛艶がピカピカしているか馬体が丸いかどうかなど、自分の目で判断しましょう。

 

③直感を大事にすること。理性的に判断しつつも、何だか好き!といった気持ちも大切にしましょう。本当に惚れた馬ならあばたも笑くぼで一生大事に頑張れます。逆に損得だけで決めたりすると何か困難に当たったとき心が冷めてしまいます。この馬に惚れ込んで、やっぱり好きだな~と思えるような馬に出会えたら多少の困難は一緒に乗り越えていけるものです。それが馬との絆になります。

 

馬の選び方 最重要チェックポイント

※これから初めて馬を買う方はよほどのことがないかぎり買ってはいけない馬。

 

・蹴癖、咬癖、錯癖、熊癖、眼疾患

・歩きがよれるふらつく力が無い

・蹄が変形している、蹄の向きが外向き内向き(幼駒時管理不足)

・横から見て繋ぎと蹄壁が一直線でない、蹄冠が出っ張って見える(DODクラブフット)

・蹄壁が反っている、くの字に中央がへこんでいる(DOD前方破折)

 

これらの症状は治療が非常に困難です。廃馬になってしまう可能性もあります。特殊な事情を除き避けることをおすすめします。

 

馬の選び方 重要チェックポイント

※できるだけ避けた方がいい馬。信頼できるプロフェッショナルな管理者に長期間お願い出来る場合や、時間的にも金銭的にも長期間待てる場合以外は購入しないでパスする馬。

 

・毛艶が悪い

・痩せている(あばら骨が見える)

・放牧されっぱなし

・コテコテに汚れている

・毎日ブラシをかけられている様子がない

・蹄冠がふくらんでいる(蹄葉炎など重度蹄病の可能性大)

・蹄叉腐乱、蹄の裏が臭い

 

・騎乗時反応が悪い

・鞭で叩かれている、鞭で追われている

 

 これらの症状が一つでもある馬はその他の健康状態にも見えない問題を抱えています。健康管理レベルが低かった馬は普通の状態に戻すだけでも数か月または数年の時間と医療費、およびしっかりした治療管理技術が必要になります。しかもそのあいだ多くは調教も進められません。馬と幸せなパートナーになりたいならその夢には相当な時間がかかる覚悟が必要です。また精神的に人間不信になってしまっている馬も同様で、マイナスからのスタートで信頼を構築するのに長い期間がかかることになります。手間がかけられている様子のない馬は残念ながら管理もそれなりと思った方がいいでしょう。皮膚病や感染性結膜炎などを持って入厩して他の馬に移してしまい預託先に迷惑をかけて文句を言われるかもしれません。ゼロ以下の馬を苦しみながら何度も立て直してきたからこそ、自分だけは大丈夫なんて無いし、本当に覚悟が必要ですよ、おすすめできないですよと伝えたいです。

 

(参考症例:①蹄壁がくの字に反って前方破折=DOD発症。②蹄壁中央損傷=蹄の脆弱性③蹄冠が薄い白ピンクになりふくらんでおり冠毛が起き上がっている=蹄葉炎など重度蹄病の可能性大。これは蹄や全身骨組織に重大なトラブルが発生しているときの兆候です。特に放牧中心で育ってきた子馬や若馬は長期間低栄養状態ですごしてきたため入厩後に通常の飼養をしただけでDODを発症することがあります。この馬は残念ながら若くして予後不良となりました。)

 

 

馬の選び方 基本チェックポイント

~馬を見せてもらう~

 

・顔の表情はどうか、生き生きしているか、暗そうか

・身体の動きはどうか、元気そうか、ダルそうな感じがないか

・毛艶は

・ボディーコンディションスコアはいくつか

・馬房をキレイに使うタイプの馬か(賢い馬はボロ等の場所を決めて馬房をキレイに使う)

・他の馬の馬房や厩舎はきれいか(どのくらい馬を大切にしているか)

・蹄の状態は

・肢の状態は、曲がりや腫れはないか

・肢上げの反応は、おとなしいか上げなかったり嫌がったりしないか

・蹄底の清潔さと臭いは

 

・引き馬の様子は

・自分で引き馬してみて反応は

・終始落ち着いている様子か、キョロキョロしないか

・逆に元気なくボーッとしていないか

・洗い場などでわけもなく前がきをしていないか

・人間をちゃんと見ているか、意識しているか

 

・人懐こすぎないか

・人を避けていないか

・目の前でどのような扱いを受けているか

 

・毎日牧草地に群れで充分放牧されているか

・毎日手入れされて育ってきたか

・飼料はどんなものをどのくらいの量と回数で給与されてきたか

・削装蹄はどのくらいの間隔で行っているか。(標準は削蹄2週間、装蹄4週間)

 

~騎乗できる場合~

 

・馬装の様子は、首を振ったり嫌がっていないか

・乗るとき動いたり不安な様子を見せてないか

・脚の反応は良いか

・脚の触った感触は柔らかいか、硬ければ拒否している

・唸らないか

・口は柔らかいか、硬ければ受け入れていない

・内方姿勢は柔らかく取りやすいか

・行きたい方へ自然に導けるか

・ブレーキのとき口を突っ張らないか、自分で止まろうとするか

・横に倒れるような感覚はないか

 

~書類を見せてもらう~

 

・血統書はあるか、見せてもらう

・健康手帳はあるか、見せてもらう

・予防接種歴及び検査歴はどうか、伝貧、馬インフルエンザ、日脳、馬パラ、鼻肺炎

・駆虫および寄生虫予防はいつしたか、どのくらいのペースで行っているか

・歯科健診と整歯はいつしたか、どのくらい定期的に行っているか

・乳歯から永久歯へ順調に生え変わっているか、狼歯の有無と処置は

 

 実際には畜主もその馬に問題があることを知らない場合もありますし、お互いの常識が違っていることもあります。なのでやはり自分の目で、自分の基準で、自分の責任で判断することが大切です。

 

 

 

 実際に馬がどのくらい物見をするのかも多くの方が気になることでしょう。ライダーへの信頼関係がはっきり出るシーンでもありますのでどのくらい落ち着いているか騎乗中は常に馬の様子をよく観察しましょう。

 

 とくに肢上げの従順さや、蹄の裏の清潔さはとても重要です。なぜなら馬は下から化骨して成長することと、一度蹄に問題が発生すると治療して正常な蹄に戻すには長期間かかるからです。調教の観点からも馬の弱点である肢を幼い頃から馴致できているということは従順性がよく出来ているという安心につながります。

基礎知識 スポーツホースとレジャーホース

 乗用馬は大きく分けるとスポーツホースとレジャーホースに分けられます。

・スポーツホース…乗りやすくて乗馬や馬術に向く。ハノーバー、KWPNなど。

・レジャーホース…おとなしくて外乗などに向く。ハフリンガー系やアパルーサ系など。

 

 経験からお伝えすると、少しでもいつも通りの乗馬をするのであればできるだけスポーツホース系から選ぶことをおすすめします。

 外乗しかしないとかポコポコ跨るだけとかならレジャーホースで大丈夫です。しかしやっぱり皆さん乗っているうちにだんだん上達して、ハミ受けがしたいとか障害を飛びたいとか思うようになってきます。そのときレジャーホースだととても苦労します。やって出来ないことはありませんが、調教はとても大変ですし馬も苦手なことを要求されて苦しいです。残念ながら品種として身体も性格も向いてないのでとても難しいのです。私もレジャーホースをよく調教しますし競技会にも出場していますが、馬術的に育てようとするとやっぱり本当に大変です。それに比べてスポーツホースは騎乗用や馬術用に品種改良されていますので、生まれながらにして人が楽に乗れるような体型、動き、性格、応答性の良さをもっています。馬を買うと長い付き合いになります。自分もいつの間にか上達します。そのとき馬もついてきてくれるような馬ならいいですね。

 ただの「日本乗系種」や「中間種」のなかにも、「スポーツホース系」と「レジャーホース系」がいることをちょっと知っておくと、後々良かったなと思えることがたくさんあると思います。販売されている馬の血統にもこだわってみるといいですよ。思った以上に血統的背景は大事です。

 

基礎知識 外国産馬と内国産馬

 外国で生まれた馬を外国産馬、日本国内で生まれた馬を内国産馬といいます。どちらの方がいいとは言えず、やっぱり大切なのは”育ち”だと思います。馬の良さに大きな影響を与えるのは「血統×育ち」と言えます。どちらも良ければその馬は持てる素質を十分に発揮してくれるでしょうし、どちらかが低いと掛け算なりの結果になってしまいます。

 外国産馬を輸入するためにはまず輸送費がおよそ250万円くらいかかります(欧州便)。そのぶんは馬代とは別に必要となる経費として見積もっておかなければなりません。そして初心者が乗れるような実績のある馬は向こうでも大人気です。乗馬人口の多い本場では当然良い馬は人気倍率も高いことが予想されます。ちゃんとした馬が欲しければ最低でも10万ユーロ(約1200万円)以上は欲しいといった話も聞きます。もちろん本場でも馬はピンキリです。安い馬も沢山います。むしろ乗馬人口が多いだけに馬を飼ってる人も多く、庭先で馬を飼って子馬を生ませている場合もあるそうです。しかしそういった場合プロによるしつけも調教もあまり受けていないので購入した後にものすごく苦労することでしょう。実際、恐ろしく大変でした。血統は良くて大きくてパワフルだけど、言うことを聞かない馬。そういう馬が他にもけっこういることを想像するだけで恐ろしいです。向こうではおとなしかったのに日本に到着してみたらすごい暴れ馬だったとか、物見がひどくて先生しか乗れないとか、落馬して大怪我をしたという話もよく聞きます。そりゃホームとアウェイでは全然違いますよね。馬なんてなかなか本当のことはわからないものです。毎日乗っているプロのオークションライダーが欠点を隠して乗ってみせているかもしれませんし、試乗では鎮静剤を投与されていたなんてこともありました。よほど信頼できる人から購入して、自己責任で面倒を見るしかありません。また、大変な高額(フェラーリくらい)を支払って輸入したもののクロスバーや3級くらいしか回れないという馬も見たことがあります。遠くから見ててもすごく悲しいのですが、やはり高かったぶん手放せないし、その事実を認めたくないという気持ちも本当によくわかります。これは血統の良いフルサイズの競技馬だけの話ではなく、ヨーロッパから輸入されたライディングポニーでも同じような例を何度か見てきました。外国産馬はどんな馬でも輸送費のぶんコストパフォーマンスは非常に悪いということと、ものすごいギャンブルの面があると思います。

 あと、蹄や健康の問題があります。冷涼なヨーロッパから蒸し蒸しする高温多湿の日本へ来ると蹄や健康に異常をきたす場合があります。もともとの蹄が悪いとなおさらで、やっと日本に到着してやっと検疫が明けたと思ったらしばらく運動もできないということもありました。以上のような経験をあまりにも多くしてきたので、私はあまり外国産馬に対するこだわりはなく、馬を買うということに内外問わずとても慎重になっています。結局は肩書じゃなくて、その子がどういう子であるのか、というのが大切ですよね。

 

 内国産馬は日本で生まれて育ったので、日本の気候風土には十分慣れていると思われます。内国産馬の特徴はバラツキや個体差が大きいことが挙げられます。それは当たり外れが大きいことにつながります。現在の内国産馬生産の主流は、野山や放牧場での多頭数の周年放牧となっています。この生産飼養方法はコストを低く抑えることが出来るので、一定の馬をお手ごろに購入することができます。ある種、昔ながらの古き良き畜産的な色合いを残していますね。これとは逆に競技をしている乗馬クラブが自ら競技馬を生産する場合はきめ細やかな管理をされていることが多いですが、今度は放牧の時間が足りない、放牧の広さが足りない、馬場にしか放牧できなくて青草を食べて成長させてあげられないといった苦労もあるようです。最近は馬生産技術の向上が目覚ましく、JRAや一流サラブレッド牧場の管理方法には多大に見習うべきものがあると思います。乗用馬生産もクオリティーの時代に突入しています。多くの方が質の良い乗用馬を強く求めるようになってきました。私のまわりの乗馬クラブでも乗用馬生産を行っていますが、あくまで自分の競技のためや、自分の夢のためなので、基本的に販売してもらえる可能性はほぼありません。それにたくさんの手間をかけてきめ細やかに育てた馬をなぜか安く売ってくれるなんてまずありえませんよね。以上のことから今後質の良い内国産乗用馬を購入するチャンスはますます少なくなっていくと予想されます。(そのために「これは自給自足するしかない!」と乗用馬の生産を自分で行うようになりました。)

 内国産馬が有利なのは、競技会において内国産表彰があったり内国産しか出られない競技があることです。特に全日本馬場パート2は内国産限定の馬場馬術大会で、個人的には何でもいいから全日本に出たいという人が、出場できる可能性が一番高い全日本だと思っています。ぜひ頑張ってみてください。また内国産馬に乗って競技に出場して外国産馬に勝てたときは内心ちょっと嬉しいものがあります。また同じ内国産でも日本乗系種に乗って日本スポーツホース種に勝つとやっぱり嬉しいものがあります。こつこつ努力した結果の下剋上は愛馬がとても誇らしく感じられる瞬間です。

 馬はすごく可愛いのですが、思わず飛びついてしまうと、こんなはずじゃなかった…という話もけっこう耳にします。生き物なので日々の取り扱いで簡単に変わってしまいますし、まずどこをどう見たらいいのかとか、選ぶうえでのチェックポイントがあまり知られていないことがあります。馬はパートナーとして役務を頼むのですから、野生馬みたいのを買ってしまったら目も当てられません。だからやはり育ちが大切だと思います。

 一目惚れして購入する場合もあると思いますし、付き合っている間にじわじわと好きになってくる場合もあると思います。そんな相思相愛のパートナーになれるように、もともとの育ちが良くて素質のある馬を選ぶ眼力をぜひ身につけていただければ嬉しいです。

 

 どうぞ馬の幸せのためにも、末永くその馬とともに乗馬をずっと楽しんでもらえますように。

 馬を購入するときには馬の表情と馬体をよく観察して、どれだけ手がかけられているか、どれだけ健康管理されているかを、しっかりチェックしてください。

 子犬や子猫ちゃんを家族に迎えるとき、どんなブリーダーを選びたいですか?

 馬でも同じように、毎日一頭一頭しっかりと手をかけてもらっている健康でよく調教された馬を購入することをおすすめします。

 

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